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  • 大井駿

ブラームス: 交響曲第2番 作品73 (連弾版)

この作品は、ただただ青い空、泉のざわめき、太陽の輝き、そして涼しげな緑の木陰だ。

Das ist ja lauter blauer Himmel, Quellrieseln, Sonnenschein und kühler grüner Schatten!


 ブラームスの友人だった外科医テオドール・ビルロートが交響曲第2番を聴いて評した言葉です。

ブラームスが交響曲第1番を書き終えた翌年1877年の夏、南オーストリアはヴェルター湖畔の町ペルチャッハで過ごしていました。彼はここでこの曲の作曲に着手しました。交響曲第1番が約21年の歳月をかけて完成されたのに対し、この曲は4ヶ月で完成しました。

 管弦楽版とピアノ連弾版とどちらが先に書かれたか定かではありませんが、1878年8月にベルリンのジムロック社より管弦楽譜、パート譜、ピアノ連弾譜が出版されました。ブラームス自身も第1番に関しては「愛すべき曲じゃないんだよ」と述べていたのに対し、第2番では、夏のアルプスの町で過ごし、溢れるインスピレーションが抑えられないことを

友人に宛てています。



 この曲は全ての楽章を通して基本動機「D - C♯ - D (ニ - 嬰ハ - ニ)」が使用されています。


  • 第1楽章: アルプホルンを模した音型の第1主題で始まります (オーケストラではホルンが演奏)。すぐそのあとに続く旋律はリディア旋法が使用されています。このリディア旋法は、ベートーヴェンが「もっとも楽しく癒しを与える旋法」と述べ、ブラームスの愛するベートーヴェンも弦楽四重奏曲第15番で使用しています。(同じくそれに倣ってドビュッシーが「喜びの島」でも用いています)第2主題は低音域で演奏され、メランコリックな雰囲気を醸し出しています。あまりにも美しく、アルプスの壮大な山々と自分を対比し、憂いているような雰囲気さえ伺えます。終盤に向けて曲調はだんだんと落ち着いていき、幕を閉じます。


  • 第2楽章: この楽章でも低音域で主題が提示されます。長調と短調が頻繁に入れ替わり、不安定な曲調が特徴です。


  • 第3楽章: 牧歌的なテーマが特徴の第3楽章は、オーストリアの民族舞踊レントラーや、ワルツを思わせ、おそらくこの交響曲の中で一番オーストリア的でしょう。主題は中間部で3倍の速さ、その次の中間部で6倍で演奏されます。


  •  第4楽章: 基本動機を用いた主題が静かに静かに提示され、中途半端に終わったのち喜びが爆発します。 終盤へ向けてだんだんとさらなる盛り上がりをみせ、歓喜の中曲を閉じます。


©︎2018 Shun Oi

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